氣鍼医術を構成する6つの柱を以下に紹介する。
片方刺しの相剋調整を基本としている。
これにより、難病まで対応可能である。
本治法・標治法ともに、鍼の深浅が経穴上空から極く浅く接触、刺入するまでの『氣鍼』による補瀉手技が中心になる。つまり氣鍼医術は人体を衛る気を常に意識し、上皮の厚さ、まぶたの薄さを考慮しながらの微妙で繊細なはり治療であること。
本治法の証立てに腹氣鍼(ふくきしん)診断術(玄庵式)を開発したことにある。これは難経六十九難の法則に準拠しており、『腹部診断五穴』にはりをあて、脉締を得ることで『証(あかし)』の決定に役立つ診断術の要である。
腹氣鍼診断術に子午診断術・奇経診断術を加え、より正確に本治法の『証』と『適応側』を決定する複合診断術の開発である。その診断・治療の結果、良脈(りょうみゃく)を得ることで治療目標の達成を確認することができる。
標治法において、鍼の深浅などの治療量の適否が判定できる『標治深度検脉(ひょうちしんどけんみゃく)診断術(中井式)』の開発である。たとえば、座位後方からの背部への標治法の場合、後方標治深度検脉と呼称し脉締を確認し、治療量の適否を判定する。
『月齢適応側診断法(吉川式)』の開発である。これは4つの月齢(満月、新月、上弦、下弦)またはその前後に於いて、本治法の適応側が移動することを発見したことから生まれた診断法である。