ちょっと詳しく

子午(しご)鍼法とは

氣鍼医術の子午鍼法は、臍を中心に十二経絡を左右に分け、その左右の陰経と陽経が互いに拮抗するという考えを基とする。たとえば、痛み病症が右側の陽経上にある時、これを実病症と仮定すると、拮抗経絡である左側の陰経は虚を呈するゆえ、これを補い、左右の虚実を平衡にする鍼法をいう。古典は、左右の陰と陽の拮抗経絡を次のように定めている。簡略にいうと『胆―心』『肝―小』『肺―膀』『大―腎』『胃―心包』『脾―三』となっている。子午鍼法は、左右ある経絡の虚実が、明確に判定されるので、本治法における『片方刺し』の大原則を理解するための根拠の一つになる。また、田舎に帰省して、家族が痛みで困っていたら、治療してあげて喜ばれる魔法みたいな『一穴、即、除痛』鍼法である。


奇経(きけい)鍼法とは

氣鍼医術の奇経鍼法は、奇経八脉(督脉―陽蹻脈、陽維脈―帯脈、衝脈―陰維脉、陰蹻脈―任脉)の代表穴である手足の八総穴(後谿―申脈、外関―臨泣、公孫―内関、照海―列欠)を病症に照らし、主・従の穴に分け、金・銀の平鍼を貼付することで邪を洗い流すがごとく除く、『瀉の鍼法』として使う。


腹氣鍼(ふくきしん)診断とは

腹部の『診断五穴(ごけつ)』に、順番に鍼をあて検脉し、『脉締(みゃくてい)』を得ることで、本治法の証を立てる診断術のひとつとして、葛野玄庵が独自に開発した画期的診断方法である。これは『証』決定の重要な役割を果たすものである。


本治法(ほんちほう)とは

氣鍼医術では、本治法における脉診は、脉状診を中核においている。そして、腹氣鍼診断・子午診断・奇経診断による独自の『複合診断』を開発した結果、経絡の虚実と適応側を正確に判定し、難経69難の法則に準拠し証を決定できるようになっている。